想像力

USB1.1の時代にUSB接続のCDROMで20倍速がほしいっていっている人がいた。USBの次の規格が出ないと無理といっても通じなかった。

CDって720MByteで再生に1時間くらいだから、1倍速って単純に計算すると200KByte/秒ってことになる(実際にはもう少し少ないけどね)

で、USB1.1の規格って10MBPS(MBit/秒)かな。としたら、1MByte/秒くらいなんで、5倍速くらいが限度。どの数字も大雑把だから多少のぶれはあるけど、転送路(この場合、USB1.1)と送りたいものがわかれば、どのあたりが上限かは暗算でもできる。

同じように、LANを100Mから1Gとか1Gから10Gにしたら早くなる・・って単純に信じている人が多い。
規格で規定しているのは、そのレートの機器間での会話についてなんで1GのLANの機器を使う=100Mの10倍早くなるなんて事はない。あくまでも、1GのLANで通信ができるということ。まして、業務用の製品じゃなくって、安い製品ではHUB一つ取ってみてもスピードがぜんぜん違う。これだって、100Mだと1E-8秒位で0と1が切り替わるのが1E-9、1E-10になる、これってすごいよ、光は1秒間に3E8メートル進むから、100Mだと1メートル進む間に切り替え、10Gだとなんと、1センチメートル進む間に切り替えしちゃうのよ。経路上のすべての物がこれに対応してる思っちゃうって怖いねぇ。

なんか、ハードウェアはどんどん進化しているけど、使う人は、苦労が少なくなった分、どんどん想像力が下がっている気がするのは、気のせいかなぁ。


まぁ、光(正確には光子)1個を制御する技術が研究室から製品になってて、量子コンピュータなんてのが、研究室レベルで出来ちゃってる時代だからすごいのはすごいんだけどねぇ。